鍛造の一種である熱間鍛造は、金属における「成形」と「鍛錬」の2つの面でメリットがあります。
まず、「成形」の面では、加熱により金属材料が柔軟になった状態で加工を行うため、複雑な形状や大型部品の製造を行うことが可能となります。
また、「鍛錬」の面では、加熱された状態で打撃を加えることにより、内部欠陥がなくなり、金属の結晶粒が細かくなり、組織が緻密で均質になります。さらに、鍛造により材料内部に製品の形状に沿った結晶組織「鍛流線(メタルフローライン)」が形成され、硬さ・引張り強度など機械的性質も高めることができます。
■鍛流線の形成
こうしたことから、熱間鍛造は、歯車やシャフト、高圧バルブ、高圧ポンプ等の、形状が複雑で高強度&高靱性が求められる部品に多く採用されています。