鍛造の歴史

装飾品から武器、工具・農具、そして産業機械へと、
鍛造技術は人類の歴史とともに進化を遂げてきました。

鍛造は、人類が金属を発見して以来、最も古い歴史を持つ金属加工方法の一つ。古くは紀元前4000年頃のエジプトやメソポタミアにおいて、金銀や銅などを用いた鍛造が行われていたと言われています。

紀元前4000年以前に遡る鍛造の歴史

人類が金属を発見して以来、それらを装飾品をはじめ武器、工具・農具などを目的の形状に成形するために、さまざまな金属加工方法が発明されてきました。

その中で、鍛造の始まりとされるのは、紀元前4000年以前。エジプトやメソポタミアで、礼拝の対象物や貴人が身につける装飾品を作るために、自然産金や銀・銅などの自由鍛造が行われていたと言われています。

そして、紀元前 18 世紀頃、古ヒッタイト王国で鉄器文明が築かれ、紀元前 10 世紀頃に製鉄技術がインドへ伝播。中国では春秋戦国時代に銑鉄の製造技術が確立しました。イランでは、紀元前 8 世紀頃に鍛造されたとみられる鋼製短剣が発見されています。

一方、日本においては、弥生時代に鉄の鍛造品が作られるようになり、古墳時代には朝鮮半島南部より「韓鍛冶」が渡来し、鍛冶技術が進歩しました。その後、鋤(すき)、鍬(くわ)などの農具や、日本刀、鉄砲などの武器が作られていきます。

明治以降、工業化が急速に進み、日本では特に超大型駆動部品の自由鍛造成形や、自動車部品の大量生産を行うための精密鍛造において、世界トップクラスの技術力を持つようになりました。現在では、発電用ローター主軸や航空機などの大型部品から、自動車部品、工具、そして、ガス給湯器や電設機器、農機具、高圧ポンプ機器、そして半導体製造装置、レーザー機器、ロボット機器に至る幅広い分野で鍛造が活用されています。

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