アルミ鍛造について③ アルミ鍛造の優位性
アルミ鍛造により、高強度・高靱性部品の製造が可能となり、材料ロスを抑え、加工時間の短縮と材料費の削減も実現できます。
アルミ鍛造は、他の加工法に対し、強度・靱性の高い部品を製造できることや、材料ロスの削減、加工時間・材料費の削減など、さまざまな点で優位性があります。
加工時間・強度・薄肉化で優位なアルミ鍛造
一般的に、アルミ部品を成形する際、次の4つの選択肢があります。アルミニウムを融解して鋳型に流し込む「アルミ鋳造」、同じく融解したアルミニウムを圧力をかけて鋳型に注入する「アルミダイキャスト」、工作機械により一品ずつ材料を削り出す「アルミ削出し機械加工」、そして材料にプレス機等で圧力をかけて鍛造を行う「アルミ鍛造」です。
それぞれ一長一短があるため、加工部品の目的と用途に応じて、さまざまな要素を検討する必要があります。例えば、高速・大量生産ならアルミダイキャストやアルミ鍛造が候補となりますが、さらに強度や薄肉化が必要であればアルミ鍛造の選択がベストと言えます。また、アルミ削出し機械加工とアルミ鍛造との比較では、アルミ鍛造の方が、金型製作に初期費用がかかっても、加工時間・加工賃・材料費の削減によりトータルコストを削減できるケースもあります。
アルミ鋳造 | アルミダイキャスト | アルミ削出し機械加工 | アルミ鍛造 | |
---|---|---|---|---|
金型 | 必要 | 必要 | 不要 | 必要 |
立上り時間 | ○ | × | ◎ | △ |
ロット | 小中ロット | 大ロット | 小ロット | 大中ロット |
加工時間 | ○ | ◎ | × | ◎ |
精度 | × | ◎ | ◎ | ○ |
強度 | × | × | ○ | ◎ |
薄肉化 | ◎ | ◎ | × | ◎ |
省材料 | ◎ | ◎ | × | ○ |
このように、目的や用途に合わせて、各要素を比較検討しながら4種類の加工法から最適なものを選択します。また、アルミ鍛造においては、必要な精度やサイズ等によって熱間鍛造または冷間鍛造のどちらか最適な工法を選択することで、高品質な部品製造を実現することができます。
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