プロが教える<実践>鍛造発注マニュアル

各種メーカー様の部品製造・発注をサポート。
熱間鍛造のプロがコスト削減ノウハウを
解説いたします

アルミ連鋳棒の使用により
<コスト削減を実現する発注方法>

今回は、アルミ製/大型鍛造部品において、製造コストを大幅に削減する方法について解説します。

通常、アルミ熱間鍛造で使用する材料は、押出加工により成形された「アルミ丸棒」を用います。押出加工とは、金型に開いた丸穴から「ところてん」のように材料を押し出して、棒材を成形する方法です。これは一種の「鍛造」であり、金属組織が緻密になり、強度が増す効果があります。

押出加工によるアルミ丸棒の製造

この方法で大型部品を製造する場合、材料として太径のアルミ丸棒(例えば200φ以上)が必要ですが、日本で製造できるメーカーは数少なく、特に300φ以上の大サイズになると現在1社しかなく、常時品薄な状態です。

したがって、高価であることはもちろん、納期も半年近くかかり、需要に合わせてタイムリーな製品製造を行うことは困難で、対応に苦慮されている発注担当者様も多いのではないでしょうか。

そこで、「アルミ丸棒」に代わる、鍛造材料の候補として注目されるのが、「アルミ連鋳棒」です。

連続鋳造によるアルミ連鋳棒の製造

アルミ連鋳棒は、高温で溶かしたアルミを連続的に注ぎながら引き出し、棒状に成形する方法で製造されます。実は、最初に説明した「アルミ丸棒」は、この「アルミ連鋳棒」が原料(ビレット)となります。

つまり、通常の熱間鍛造工程では…

通常の熱間鍛造工程

という流れですが、今回のアルミ連鋳棒を使う工程では、

アルミ連鋳棒を使用する熱間鍛造工程

と、「アルミ丸棒」を飛ばして、直接「アルミ連鋳棒」を使用します。

つまり、材料を変える「コロンブスの卵」的な発想により、工程が短縮され、約30%もの大幅な材料コスト削減が可能となるわけです。

それでは下記に、メーカーの資材発注・担当者様が、スムーズにコスト削減を実現して頂くために、鍛造加工業者選びにおける「質問内容」や「技術確認」ポイントを記載いたします。

【質問内容】コスト削減のための「質問」及び「技術確認」ポイント

  • 大型のアルミ部品を安く作る方法はありませんか?
  • 材料を、アルミ丸棒からアルミ連鋳棒に変えることはできますか?

コスト削減を図る効果的な発注テクニックについて

今回のコスト削減テクニックは、「アルミ熱間鍛造の材料として、丸棒ではなく連鋳棒を使用する」ことに尽きます。

しかし、「丸棒に比べてコストや納期のメリットはあっても、品質や強度の面はどうだろう?」と疑問を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から言えば、そこはクリアできる問題となります。

下記表は、アルミ丸棒とアルミ連鋳棒を比較したものです。


  アルミ丸棒 アルミ連鋳棒
材料の品質・強度
熱間鍛造された製品の品質・強度
材料コスト 高い 安い
その他コスト なし 各種試験が必要
入手難易度 太径は入手困難 太径も入手容易

アルミ丸棒は、鍛造の一種である「押出加工」で作られるため、既にこの工程段階で「鍛造」レベルの高い品質・強度を有しています。一方、連鋳棒は鋳造品の一種であり、品質・強度面では鍛造品に劣りますが、一般的な砂型を使用した鋳造より優れています。このような違いはありますが、最終的に熱間鍛造を行うため、完成した製品は同等の高品質・高強度を備えたものとなります。

ただ、熱間鍛造でアルミ連鋳棒を使用することはイレギュラーであり、経験則が乏しいため、丸棒に比べて予期せぬリスクが潜んでいる可能性があります。したがって、発注されたメーカー様側で、実際の製品に対して各種試験を行い、確認した上で導入して頂くことが必要となるでしょう。

材料をアルミ丸棒から連鋳棒に変更。
約25%のコストダウンを実現

材料をアルミ丸棒からアルミ連鋳棒に変更したことで、
大幅なコスト削減を実現された「ユーザー様事例」をご紹介いたします

某機械メーカーA社様では、新たに設計したアルミ製大型部品を、熱間鍛造により製造することを検討しておられました。しかし、300φの「アルミ丸棒」は品薄でコストが嵩むこと、また、材料納期も発注から約6カ月もかかることから、解決策を必要とされていました。

そこで白光金属工業では、品薄な「アルミ丸棒」に代えて「アルミ連鋳棒」を使用することをご提案。その結果、材料費の30%削減と、納期約2ヵ月への短縮を実現されました。

導入前

大型部品用の300φの「アルミ丸棒」は高額であり、納期も6カ月以上かかることから、抜本的な解決策が必要でした。

導入後

材料を「アルミ連鋳棒」に変更。材料費の30%削減と、納期約2ヵ月への短縮を実現されました。

【成果詳細】

材料を「アルミ丸棒」から「アルミ連鋳棒」に変更したことで、約30%の大幅コストダウンを実現できました。 また、発注元の機械メーカー様で、X線による内部欠陥確認や必要強度確認等の試験を行った結果、品質・強度とも「アルミ丸棒」を使用した場合と全く遜色ないことが証明されました。

相談アドバイスを受付いたします

以上、「プロが教える【実践】鍛造発注マニュアル」では、現状部品のコストダウンを検討されたいメーカーの資材発注・担当者様へ、コストダウンを実現させる実践的なサポートを無料で行っております。

現状既に、鍛造加工業者様とのお取引をされている場合でも、丁寧にアドバイスをさせて頂いておりますので、お気軽にお問合せください。

日本の優れたメーカー様の国際競争力アップを実現させるため、これまで半世紀以上にわたる実践経験や豊富な実績、クライアント様の成功実例を基に、スピーディーにご回答、コストダウンを実現可能にする実践的アドバイスを行わせて頂きます。

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