アルミニウムは、鉄や銅の約3分の1と非常に軽く、マグネシウム、チタン等よりも低コスト。鍛造により引張り強さを高め、部品の薄肉化・軽量化を実現することで、省エネルギーが可能となり、環境負荷の低減にも貢献できます。
アルミ鍛造 詳細解説
アルミニウムの比重は2.7で、鉄(7.8)や銅(8.9)に比べ約3分の1と非常に軽量です。しかもマグネシウム、チタン等に比べ低コストであることから、軽量化・高速化が求められる輸送機械をはじめ、あらゆる分野で用いられています。
一般的に金属は、引張り応力を加えていくと、ある点(降伏点)を超えると材料が伸びて、応力を外しても元の形に戻らなくなります。さらに応力を加えると破断します。一方、アルミニウム合金は伸びずに破断する性質があります。アルミ鍛造により、この破断に至るまでの引張強さを高め、衝撃や繰り返し応力にも耐える高強度な部品を製造することが可能です。
また、用途に応じて、銅(Cu)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)等の合金を選び、最適な鍛造の工法を選択することで部品の薄肉化・軽量化も実現できます。屑からの再生地金製造に必要なエネルギーは、新規にアルミニウムを製造する場合の約3%と極めて少なく、地球環境保護にも貢献することが可能です。
このように、アルミニウム鍛造は、機械の軽量化・省エネ化に貢献でき、またリサイクル性も高いことから、環境負荷の低減が求められる現在、大きな注目を集めています。
なお、アルミニウムの付加的な特性として、光を反射する材料表面の美しさが挙げられます。また、アルマイト処理により表面に酸化皮膜を作ることで、表面の硬度や防食性が高まり、自然発色・電解着色による着色が可能です。酸化皮膜は退色や剥落に強く、長期にわたって美観を保つことができるため、建築外装等、美観と耐候性を求められる部材にも多く採用されています。