相談02●ダイキャスト品の鍛造化により表面仕上を改善したい

量産品における表面仕上の改善を図りたいお客様からよく頂くご質問として、アルミダイキャスト製部品を鍛造化する場合についてお話ししたいと思います。




■ 《お客様の問題点》


Y社様は、蒸気バルブ機器の設計から製造、販売までを一貫して行う日本有数のメーカー様です。そのY社の設計開発担当者様から、弊社へ下記のご相談メールをいただきました。



■ 【質問】


「現状、アルミダイキャスト製部品を購入していますが、アルマイト処理を行った際に表面が荒れることが多く、不適合となり困っています。鍛造工法に変えることで問題解決を図れませんか?」


実は、Y社様ではこれまで、SUS製または真鍮製しか鍛造品を仕入れた実績がなく、今回がアルミ鍛造品を取扱う初めてのケースでした。


私共で図面と現物を拝見し検討した結果、形状変更を行えば鍛造可能であることが分かり、当社技術者の設計によるデザイン形状図面をY社様へ持参して、詳細をご説明いたしました。


まず、現状を分析すると、ダイキャスト製部品では、最終工程であるアルマイト処理の終了後に「ス」(気泡や金属組織の粗密)による表面のムラが毎ロットで発生。多い時は約30%が不適合と損失が膨大で、またロットによって不適合品率が大きく変動するため、生産計画や納期面にも問題が生じていました。
それに加え、材料仕入先から発注量の減少による大幅な値上げ要請があり、金型等固定費の負担が増し、現在使用中の金型が寿命を迎えるなどの要因も重なって、鍛造化を行うことが急務となっていました。



■ 《弊社からの提案と表面仕上の改善効果》


そこで、弊社にて鍛造可能な形状に変更した鍛造設計図を再作成し、ご提案しました。


鍛造化された製品の形状(実物)

本鍛造品は相当な深さのコップ形状になり、パンチ内径は鍛造形状仕上げを目指したため、成形は困難を極めましたが、弊社にて基礎実験を重ね、数ヶ月後に材料コーティング等の技法を確立。鍛造により、全品「ス」のない部品の量産に成功しました。


弊社では、鍛造金型費用を初回のみ請求させていただき、金型の更新は自社対応にて負担させていただくことをご提案。通常3倍以上の製品単価となるところを、約1.5倍程度に抑えることを可能にしました。


結果、Y社様のダイキャスト金型更新は不要となり、初回の鍛造金型との差額だけで約250万円のコストメリットを出すことができました。





一般的に、材料費は鍛造の方がダイキャストよりも高額※ となりますが、金型費はダイキャストの方が鍛造の4倍ほど高額となり、金型を更新する都度、追加費用が発生します。(※理由は、アルミ押出材(丸棒)は、約10工程かけて精製した高価な材料であるため)


お客様からは、「コストは少々アップしましたが、高品質な製品を安定供給できるようになりました。事前に歩留まりを予測でき、生産計画通りに進行させることができるようになったので、お客様に自信を持って納期遵守をお約束できます。しかも、金型費用が初回のみで対応してもらえたので、非常に助かっています」とお喜びいただいた事例となります。


また、表面仕上についても、従来のアルミダイキャスト品よりも鍛造品の方がアルマイトの色合いが良く、光沢も出て、エンドユーザー様からの評価も高くなったとのことです。



こちらの取組みの詳細につきましては、白光金属工業までお気軽にお問い合せください。私井上(イノウエ)が、貴社の課題解決へ向け誠心誠意アドバイスをさせていただきます。



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